森で生まれたものを、元あった森に還したい。
ただそれだけでした。でも、それは険しい道のりのはじまりでした。
染色方法・媒染剤の製造方法で特許を取得しました。
かねてより調査・研究していた木質バイオマスボイラーの燃焼灰。その灰から金属類を抽出する媒染剤の製造方法と、その媒染剤を使い白樺の皮から得られる染料でピンク色に染めることに日本で初めて成功しました。
「特許製法」白樺の皮と木質バイオマスボイラーの灰で染める色
木質バイオマスボイラーの焼却灰を土に還したい。
その想いからすべては始まりました。
すべての始まりは森で生まれたものを森に還したい。
しかし形を変えた木は灰となり、産業廃棄物として処理され、
木質バイオマスボイラーの焼却灰を利活用できないか?というところからのスタートでした。
下川の木質バイオマスボイラーは、燃焼助剤に石炭やパーム油等を使わず、木質のみで燃やされます。
その灰は廃棄物でないことが明らかにされました。灰はたい肥と混合し土の肥料として利用されはじめています。
下川の森には多様な植物があり植物それぞれに色があります。その色をお届けできないだろうか。と考え、草木染めに辿り着きました。草木と金属には密接な関係があります。植物染料だけを付けて染めても水で洗うと全て流れてしまいます。そこで必要なのが金属。植物染料と金属(鉄、アルミ、銅など)の水溶液とが反応し、繊維と絡まって色が定着するという作用があります。「植物×金属=布の色」となります。
北海道下川町は第1回SDGsジャパンアワード内閣総理大臣賞を受賞。SDGs未来都市の選定を受けました。採色兼美もこれにならい、「持続可能な植物採取」を実施しています。持続可能な植物採取とは、群れで生息している植物をすべて刈り取らず必ず残して根を絶やさないこと。
また、草木染は染め直しができるのでリユースができます。
新品を製造する際には、なるべく天然素材を使用します。
「持続可能な開発目標12番つくる責任つかう責任」(SDGs12)
「持続可能な開発目標15番陸の豊かさも守ろう」(SDGs15)
ふたつの開発目標を理念として取り入れ活動しています。
緑色の矢印は、下川町が長年培ってきた循環型森林経営で「伐って植える50ha×60年サイクル」の木材利用の一部を指しています。その中で木材は余すことなく使われ、端材はチップにしてボイラーの熱源となります。この熱源は町内公共施設の暖房として使われ、化石燃料(石油など)と比較して浮いた燃料代の半分はボイラーのメンテナンス費に、残りの半分は子育て支援へと使われます。(下川町の場合)
ピンクの矢印は採色兼美の特許製法を表しています。灰からクロムを取り出すことに成功。草木染めの性質を使い、下川の植物と金属と結合させます。
青の矢印は採色兼美が提唱する残った灰の利活用の方法で、残渣の灰をたい肥に混ぜて土に還す方法を模索します。(既に実証済みの研究結果が出ているところもあります)
金属類が残量が減った灰は、より土への負荷が少ない状態で土に還るのではないか、と考えています。
採色兼美は灰の中にある金属成分に着目し、草木染と木質バイオマスボイラーの灰の組み合わせで「植物×金属=布の色」として製品化に成功しました。
採色兼美では、「脱プラ」などを考慮して、プラスチックや金属片を極力使わない、紙と糊だけの簡素な簡易包装を実施しています。
草木染めは高い!そう思っていませんか?
採色兼美では、草木染めを気軽にまとってほしいとの思いから、お求めやすい価格設定にしました。
あなたも草木を身にまといませんか?
採色兼美オンラインストア(BASE)はこちら。
草木染めはエシカルでサステナブルな手法だと思っています。動画をご覧ください。
木材(端材・未利用材)を燃焼させ、そこから得られた燃焼灰。その灰から金属類を取り出し草木染めの色止めとして使用。
取り出した後の残渣を路盤材などにして土へ還す・山へ還す方法を模索しています。
個人の私ができる範囲を超えているので、商社や研究所、またその開発に加わりたいという方、自治体などを探しています。
灰が土に還れば、採色兼美が提唱する「美しい循環」が完成します。ぜひ、開発にご参加ください。
植物染料と金属の組み合わせに和の名前を付けました。
〒0981204
北海道上川郡下川町南町47
寺田デザイン事務所内 採色兼美